初めに
海事代理士試験について、よくSNSで、条文覚えるだけの試験・・・
とか、目にするけど・・・
えっ!? 法律系の資格なんだから、当たり前じゃんって思ってます。
行政書士試験だろうが、宅建試験だろうが、司法試験だろうが、法律系の資格って、条文を覚えてますけど・・・
しかも、判例まで覚えなきゃいけない!
海事代理士試験は、憲法、民法以外は、判例をお覚える必要がない。
条文だけ!覚えればいい!
ただ、条文を覚えるって言っても、なんか無機質な感じで、面白みがないように思えますが・・・
条文に始まり条文に終わる
法律系の資格について、上記のように言われますが・・
無機質で面白みがなくても、覚えるしかない!・・それが法律なので・・
例えば
民法第93条(心裡留保)
- 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
- 前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
これを、わかりやすく?説明すると・・・・
真面目な鈴木さんが、自分の高級時計を冗談で、田中さんにあげる。と言った場合に、田中さんが、冗談だとわからなかった、又は、鈴木さんの普段の言動から冗談だとわからなかった場合、鈴木さんは、その高級時計を田中さんにあげないといけません。
つまり、鈴木さんの冗談で言った意思表示が有効となります。
しかし、もし、鈴木さんが普段から冗談ばかり言っているような人間だった場合、田中さんは、冗談だとわかるし、普段の言動からも冗談だとわかるはずなので、この場合は、鈴木さんの意思表示は無効となります。
ただし、田中さんが、自分の友達で、鈴木さんと面識のない時計好きな佐藤さんに時計を譲る約束をしていた場合は、鈴木さんは、佐藤さんに無効を主張することができません。
また、最近は、あまりないですが・・・
真意でない意思表示は、相手方が悪意・有過失の場合は無効です。
ただし、善意の第三者には、対抗できない。
つまり、真意でない意思表示は、相手方が善意・無過失の場合は、有効になります。
(条文中に善意や悪意、有過失や無過失なんていう語句は、ありません。)
など、市販のテキストなどは、わかりやすく、人間味のある語句を使って説明しています。
が、・・・
『試験の問題文』
Aは甲土地を「1,000万円で売却する」という意思表示を行ったが当該意思表示はAの真意ではなく、Bもその旨を知っていた。この場合、Bが「1,000万円で購入する」という意思表示をすれば、AB間の売買契約は有効に成立する。
どんなに、やさしく、わかりやすく説明したとしても、結局、実際の試験問題は、条文の語句で出題されます。
民法93条の問題には、間違っても善意だの無過失だのといった語句は、問題文には絶対でません。
ということは、条文を覚えていないと、問題文自体が何言ってるのか、わからないっていうことになってしまいます。
なぜ、問題が条文で出題されるか?
条文以外の語句を使ってしまうと、意味合いが変わってボツ問になる恐れがあるので、法律系の資格試験の問題は、必ず条文を使って出題されます。
結論
直で条文を覚えるか、遠回りして条文を覚えるかの違いです。
結局、条文を覚えないと、試験には受かりません。
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